A 56.現金(円)だけでは、

 

・損をする

 

話しをしたいと思います。これも、憶測ではなく、事実と数字を元にお話しいたします。

なぜ、現金(円)だけでは損をするかというと、3つの理由からです。

 

1.インフレ

2.人口減少

3.負担率上昇

 

インフレから見ていきましょう。インフレとは、インフレーションの略で、日本語では通貨膨張といいます。

 

例えば、インフレ1%になった場合、今年100円のものが来年101円になります。そうなると、現金は1円足りなくなるので、現金の価値が1%(つまり1円)下がることになります。

 

インフレ(物価の上昇)が起こると、現金価値が下がるというのはこのことです。

 

では、日本のインフレ率を見てみましょう。

こちらは、IMF(国際通貨基金)が集計した日本のインフレ率です。

バブルが崩壊し、2000年からインフレ率はマイナスになり、物価が下落する「デフレ」を経験することになります。

 

日本インフレ率
 

デフレの場合は、インフレの逆で、現金価値が高まります。インフレ率-1%では、今年100円のものは来年99円になるため、現金の価値が1%(つまり1円)高まります。

 

ところが、表を見ればわかるように、2018年、2019年(まだ10月の段階ですが)はインフレ率1%近く上がっています。

 

さて、どうしてインフレが起こるかですが、需要と供給の関係です。需要に対して、供給が追いつかないと、物の値段が上がります。逆に、需要が落ち込むと、物の値段が下がります。

 

そして、インフレには、

 

・良いインフレ

・悪いインフレ

 

があるのをご存知でしょうか?

良いインフレとは、ディマンドプルインフレといい、需要が増えることで、インフレが起きることです。日本の高度経済成長期に物価が上がったのは、人口増加による需要の増大によるインフレです。

 

1956年には10円だったアンパンも、現在は120円と12倍も物の値段は上がっています。一般的なインフレはこちらを指します。

 

では、悪いインフレとは何でしょうか?

コストプッシュインフレと言い、原材料費や賃金の急激な上昇により引き起こされる物価上昇現象を指します。日本はこれから、このコストプッシュインフレになる可能性が高くなっています。

 

理由は、2つ。

 

①原材料費の高騰は今後も続く

②人口減少社会のため賃金上昇は避けられない

 

最初の原材料費の高騰ですが、世界のインフレ率は2%です。ご存知の通り、日本はいろいろなものを輸入に頼っています。海外のインフレ率が2%ということは、毎年原材料費も2%上昇し続けるので、製品も値上がりします。今までは、内容量を減らすことでごまかしていましたが、それも難しくなってきています。

 

 世界インフレ率
 

人口減少により、需要(人材採用)に対して、人材の供給が減ることで、賃金は上昇します、東京の最低賃金はついに1,000円を超えました。この流れは変わりません。現在でも毎年50万人近く減少しており、2050年にはついに1億人を割り込みます。

 

 高齢化の推移

 

つまり、日本もいよいよ本格的なインフレ社会に向かっています。それも、今までのような人口増による経済発展に伴う良いインフレではなく、コスト増によるインフレになるため、収入は増えないのに、コストだけ増えるという恐ろしいインフレの始まりです。

 

実は、アメリカはすでに10年以上2%のインフレを継続しています。もし、2%のインフレが30年間継続した場合、現在の100万円の価値が55万円まで半減します。

 

 100万円の将来価値

つまり、

 

・現金をただ保有しているだけ

 

の場合、30年後にはその価値は

 

・半減している(今までの半分のものしか買えない)

 

ということになります。今まではデフレだったので、現金を保有する意味はありましたが、今後本格的なインフレが始まった場合、現金しか持っていないということは、価値を失う危険があります。

 

実際に、アメリカ人は資産の13%しか、現金を保有していません。現金の価値が減ることを知っているからです。日本は、まだバブル後のデフレのイメージが強いですが、本格的なインフレが始まる前に、資産運用を開始しないと、お金が減る時代に突入します。資産運用は、お金を増やすものというよりも、

 

・資産を減らさないため

 

に必要な、守りの資産運用という認識を持たないと、大変なことになってきます。

次回は、現金だけだと損をする2番目の理由、人口減社会についてご説明します。