Q50.「ニッセイワールドスポーツファンドメダリスト」「大和 iFreeActive ゲーム&Eスポーツ」の2つの投資信託を1月中旬に購入しました。下落しています。今後も暫く下落しそうでしょうか?(よつばさん)

 

A50.最初の質問として、この2つのファンドを、

 

・なぜ?

 

購入したかをお聞きしたいです。両方ともスポーツとありますので、スポートの振興のための投資だったのでしょうか。または、スポーツの分野がこれから伸びていくという思いでしょうか。

 

前者であれば特に問題ありませんが、後者であれば、

 

・(実質)利回りの最大化

 

ということをどこまで調査したかになります。

それでは、それぞれ見ていきましょう。

 

「ニッセイワールドスポーツファンドメダリスト」

https://www.nam.co.jp/fundinfo/nwsfm_b/main.html

 

為替ヘッジのあるAコースと為替ヘッジのないBコースがありましたが、とりあえず、無しのBコースを見てみます(為替リスクありの方が手数料が高いため)。

 

まずは、交付目論見書と運用成績書を確認します。

基本的に、目論見書は良いところが主に書かれており、それを元に、運用成績書で「事実」を確認します。

 

間違っても、「交付目論見書」の良いところだけを見て、購入を決めないでくださいね。

 

・事実

・数字

 

の徹底です。ここで手を抜くと、結局自分が苦しみます。最初苦しむか、後で苦しむかの違いです。最初に苦しんだ方が、損失は「0」です。

 

人間は、こうあってほしいという願望を求めてしまうので、必ず数字で判断する習慣を身につけましょう。人間(自分の脳も含む)は、嘘をつきますが、数字は「事実」を示してくれます。なので、できるだけ多面的に、数字を吟味しましょう。慣れてくると簡単です。

 

「交付目論見書」

 

「運用報告書全体版」

 

前回見方を書いたので、今回は、ざっと列記していきます。

 

1.特色

 

①世界(含む日本)のスポーツビジネス関連企業の株式に投資することで、信託財産の成長をめざします。

②スポーツビジネス関連企業の中から投資銘柄を厳選し、 ポートフォリオを構築します。

 

個別株を勉強すればわかりますが、業界に投資をするというのはナンセンスです。基本的には、どの業界にも良い企業(価値のある企業)、悪い企業(価値のない企業)はあります。

 

・利回りの最大化

 

を目指すのであれば、スポーツ業界の中からだけで選別する意味がよくわかりません。スポーツの振興が目的か、利回りの最大化が目的か、のどちらかの優先順位が高いかをはっきりさせる必要があります。

 

2.運用実績

 

スタートが、20126月なので、7年半くらいでしょうか。分配金は13,200円で、現在の基準価額が11,010円ですので、合算して「24,210円」になります。ただ、分配金は、20%の税金が発生するので、実際には、「21,570円」になります。スタートの基準価額はは10,000円ですので、2.1倍になりました。

 

ここで、必ず比較をすることが重要です。同じ期間で、SP500を購入した場合です。2012629日の指数が「1,362」で、現在が「3,248」ですので、2.38倍です。この数字は、分配金が入っていないので、SP500ETFの分配金利回りが1.8%くらいだと、もう少し倍率が良くなります。

 

つまり、運用成績だけ見ても、このファンドよりもSP500の方が、

 

・利回りは良い

 

ということになります。S&P500おそるべしですね。

 

3.手数料

 

購入時最大:3.24%(楽天証券ならば0円)

信託報酬:1.837%

 

やはり信託報酬が高いですね。運用成績でS&P500に負ける最大の理由です。ファンドマネージャーが一生懸命分析して、厳選する仕事をせずに、黙ってS&P500を買ったほうが良いというのは、数学的にも証明されています。「ランダム・ウォーク理論」と言います。その例えでよく出るのが、

 

目隠しをしたサルに、新聞の相場欄めがけてダーツを投げさせ、命中した銘柄でポートフォリオを組んでも、専門家が選んだポートフォリオと、さほど大差のない運用成果をあげられる

 

というものです。人間は猿にも負けるという悲しい現実があります。つまり、誰も予測はできないので、凡人は市場の平均を買った方がましだということです。もちろん、そうではなく、猛勉強して市場の平均以上の結果を50年以上続けているのが、オマハの賢人こと、ウォーレン・バフェットです。

 

運用成績もSP500以下で、手数料も割高なこのファンドの価値は、利回りの最大化を考えると意味はありません。

 

その場合、

 

・乗り換え理論

 

と呼んでおりますが、今すぐ損切りをして、換金し、もっと利回りの良い金融商品に変えることです。鈍行よりも急行に乗った方が、今仮に、

 

100万円損失を出しても

 

30年後に

 

500万円増やすこと

 

ができれば、結果は一緒かそれ以上です。目先の損失にこだわって、もっと大きく増やすチャンスを棒に振るのはもったいないです。

 

ちなみに、運用報告書全体版の「8P」に、「分配原資の内訳」があり、それを見ると、

 

・当期の収益以外

 

という項目があり、やはりこのファンドも利益ではなく、「元本(当期の収益以外)」から分配金を払っておりました。

 

何度も言いますが、複利効果というのは、

 

・元本 + 利息

 

これを「元利」と言い、元本を芯に、雪だるまのように利息が増え続けるから(複利効果)、英語ではスノーボールといって、雪玉のように大きくなるのです。その大元である、雪玉の芯たる元本を

 

・切り崩して

 

分配したら、雪玉はいつまでたっても大きくなるどころか、小さくなります。毎月分配型でよく起きている現象ですが、複利効果台無しです。

 

どうしてこういうことが起きるかといえば、

 

・売りやすい

 

からです。分配金がこんなに出てお得ですよ! と窓口、またはネットで勧めやすいからです。勧める方が良くないですが、買う方も良くないです。お金の教養はこういうところで差がつきます。

 

ちゃんと、こうした「事実」の確認を怠らぬよう、ご注意ください。

 

結論としては、7年半の実績がSP 500以下のこのファンドには期待しないほうが良いと思います。

 

さて、もう一つの、

 

「大和 iFreeActive ゲーム&Eスポーツ」

 

を見てみましょう。

 

「交付目論見書」

 

「運用報告書全体版」

 

と思ったのですが、こちらは、201910月スタートなので、実績自体がないので、調査ができないですね。投資の世界では、

 

・王道

 

が勝ちます。新参者は、実はあんまり利回りよくありません。期待値が高すぎて、

 

・価値

 

に対して、

 

・価格

 

が高い場合がほとんどです。

ですので、結論としては、運用実績10年未満の投資信託は、

 

・検討に値しない

 

とだけ述べておきます。みなさん、今じゃないとチャンスが・・・と思うかもしれませんが、世界は良い方向に向かっており、

 

・世界全体株(世界インデックス)

 

30年間の平均値は、

 

・7%

 

です。いつ始めても30年あれば、平均7%です。最重要なのは、30年間という

 

・時間(年数)

 

です。いつ始めるよりも、「長く続けること」を重視してください。

 

真面目にコツコツ長期間投資する。

時間を味方につけることが、個人投資家の鉄則です。

日々の値動きに一喜一憂しないでください。