「毎月分配型」投資信託の罠について解説いたします。

 

実際にSBI証券で、「毎月分配型投資信託」で検索したところ、こういった投資信託があったので、こちらを元に、問題点などを挙げていきたいと思います。

 

「日興-日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン・ファンド毎月分配型(トルコリラ)」


こちらは、

 

ハイインカム:高い分配金

ソブリン:債券(国債)

毎月分配型

通貨:トルコリラ

 

になります。

 

2010427日に発売され、現在の基準価額が1,671円です。

そして、この投資信託の分配金は、年間「26.9%」です。

100万円出資すると、毎年26.9万円も分配金がもらえます。

月に計算すると、毎月「22,416円」もの配当がもらえます!

月利2%です。

 

と喜んではいけません。

 

投資信託が発行される時の基準価額は「10,000円」です。

9年経って、この投資信託の基準価額は「1,671円」です。

83.3%も下がっています。

 

分配金も再投資した場合の基準価額は「13,367円」です。

9年間で33.6%増えました。

9で割った1年単位では、「3.73%」です。

 

分配金が26.9%と書いてあるのに、実際は3.73%に下がっています。

さらに、ここから本来は信託報酬「1.76%」が引かれるので、実質利回りは1年あたり「1.97%」に落ちます。

 

窓口やネット上では、高利回り「26.9%」の分配金が! とうたわれますが、これは「表面」利回りと言います。

 

皆さんにとっては、100万円預けて、9年後に解約したら「1,336,700」の金額が実質利回りになります。それも、手数料を引かれるので、実際はもっと少ないです。

 

「表面」利回りに対して、手数料を引いた後の利回りを「実質」利回りと言いますが、こちらのサイトでは「トータルリーターン」と呼んでおり、この投資信託の5年のトータルリターンは、

 

-4.86%

 

になります。

先ほどの13,367円どころではなく、実際にはマイナス運用です。100万円投資したら、5年後に

 

951,400

 

に減っていることになります(分配金を含んでです! 元本が下がりすぎているのが原因です)。10年後にはさらに減っていることでしょう。

 

なぜ、こんなことになるのか?


「日興-日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン・ファンド毎月分配型(トルコリラ)」

 

という投資信託がどうして良くないのか?(結果も当然良くないです)

 

ということを、具体的に解説します。


悪意のある表示

 

*この基準価額騰落率とトータルリターンをみてください。普通は、マイナスは「赤色」ですよね?(赤字というくらいなので) それを、わざわざプラスの部分を「赤色」にして見立たせていますが、3年以上の長期はマイナスです! ひどい作為的な悪意を感じます!

 

これらの知識があれば、最初からこちらの投資信託を購入することはなくなるので、損をすることもなくなります。

 

何がまずいのか?

色々ありますが、あまり細かくなると長くなるで、要点を書きます。

 

・債券

・毎月分配型

・トルコリラ

 

この3つで投資対象から外れます。

 

債券は、「株、不動産、債券」の3つの資産で最後の投資対象です。

1億円資産を増やした後の、元本を確保して、利息生活をするときに活用する「最後の」投資対象です。詳しくはこちらで書いていますが、単利であり、資産を大きく増やせないという欠点があります。金持ちが最後にやる投資です。資産を増やすときには「複利」を利用します。

 

http://asset-support.blog.jp/archives/4655669.html

http://asset-support.blog.jp/archives/4655674.html

 

2番目の毎月分配型ですが、こちらも論外です。

投資を知っていたら、絶対にやってはいけない方法です。

つまり、「複利効果」を自ら諦めてしまうからです。

複利とは、「元利」と言って、元本に利息を加えて運用することです。

 

100万円投資した場合、「単利10%」の場合は、毎年10万円利息があります。ずっと10万円です。

 

「複利10%」の場合は、1年目の利息は10万円ですが、2年目は、この利息10万円が元本に加わり(元利)、110万円の10%、つまり、11万円の利息がもらえます。3年目は121万円(110万円+11万円)の10%、12万円の利息になります。

 

このように利息が元本に加わることで、雪だるま式に資産が増えていくのが複利効果で、アメリカでは「スノーボウル(雪玉)」と呼ばれています。雪玉のようにどんどん大きくなるイメージです。例えば、毎月1万円を10%複利で30年間運用すると、元本360万円が5.5倍の2,000万円に増えます。これが複利効果です。

 

ここで毎月分配型です。

せっかくの利息を分配して受け取ってしまえば、「元本」がいつまでたっても大きくなりません。しかも、毎月なので、年間に12回も分配し、その都度計算するための「手数料」が発生しています。さらに、詳細は省きますが、大体のこの手の毎月分配型の投資信託は運用がうまくいかずに、利益を分配するのではなく、「元本」を切り崩して分配しています。だから、

 

元本(基準価額)があんなに減っているのです!

 

毎月分配で複利効果を諦め、さらには、元本自体を受け取っているだけです。

そのために手数料だけ取られ続け、元本割れを起こしている状態です。

 

最後のトルコリラですが、単純にトルコリラの価格が、20104月に「62.22円」だったのが、現在「18.41」と3割以下に落ち込んでしまったからです。これだけで、10,000円でスタートした基準価額が3,000円に下がる下落幅です。


トルコリラ

 

通貨の説明をすると長くなるので、また何かの折に説明しますね。

簡単に言うと、通貨は長期では国力、経済力を反映するので、トルコリラが日本の円に対して、強くなるのか、弱くなるのかは、国力、経済力を比較すれば分かります。この10年においては、トルコの国力、経済力は大きく落ち込んでいることになります。

 

<結論>

 

・債券

・毎月分配

・ドル以外の外貨建て

 

の投資信託は、ほとんど元本割れするので、目先の分配金に目をくらまされることなく(騙されることなく)、ちゃんとお金の増える投資を行いしょう!